担任の先生は、皆が席についたのを確認して、点呼を始めた。

「出席番号1番相田ー、2番井口ー、10番烏丸ー、……烏丸?」

まるで、私には先生の声が入っていなかった。

「あっ、はい!すみません……。」

「いやいや、別に謝らなくても」

そんなやりとりを聞き、クラスのみんなが笑っていた。

私は、顔を真っ赤にして、下を向いていた。

「えー、点呼再開するよー。11番北山ー、……40番若田。以上で終了やな。
次は、先生の自己紹介をしたいと思います。」

と、先生は話を続けていった。

「えー、まず私はここの担任で1年数学科を担当する五条と言います、よろしく。ちなみに既婚者です。」

……それだけ?

ていうか、先生が結婚していようがしていまいがどうだっていい。

先生は、自己紹介を終えると、明日からの予定などを連絡した。
明日からいきなりテストがあると聞いて、少しげんなりした。

こうして、常にテストがあるなんて、割と高校生も面倒臭い。