駅を出ると、近くにギターケースを背負った集団が、練習の帰りなのか、群がっていたので、ライブハウスの名前を言い、場所を尋ねると、


僕を上から下まで、品定めするかのような目で睨みつけ、

方向だけを告げ、黙ってしまった。






彼らは、何を目指したファッションなのだろうか。。



どこのメゾンのものかがわからないくらいに、ぺらぺらな皮ジャンに、安全ピンを大量につけ


パンクではなく、ロックでもなく、

「愛羅部 雪国」


と書いた、Tシャツに安っぽいサルエル、そして皮ブーツという出で立ちだった。




僕は、どこのメゾンが聞きたい衝動に駆られたが、
聞いた所で着るわけがないし、人をファッションにケチをつけたくなかった。



「どうも」




軽く返事をして、教えられた方角へ急いだ。