試合のあと――

「な?頼むよ一馬!」

テツは、
あいつ――真菜のアドレスを聞きたいらしい。
しかも――直接。

「いや、でもいきなり俺が話しかけるのも…変じゃね?」

必死の抵抗だった。
が、テツは鈍感だった。

「大丈夫だって!な?だから、よろしくな!じゃあ」

そういって
テツは去っていった。


「はぁ……どうするんだろ、俺…」


あの時に、
言っていれば。
「ごめん、俺も真菜が好きだから」
そう、テツに言っていれば良かった。




「何悩んでるの??」