祐樹はあたしの頭をゆっくり撫でた

「…彩夏。何処か行きたい場所、あるか?」

行きたい場所…。
…たくさんある。

だけど、今は…
「…みんなと一緒にいたいっ!!」
あたしは満面の笑みで答えた。
祐樹は驚いたような顔をしたけど、すぐに微笑んであたしを優しく抱きよせた。

「…んじゃ、明日は倉庫で楽しむか!!」
祐樹は低く優しい声であたしに言った

「ありがとっ!!」
あたしも祐樹に抱きついた

祐樹といると、胸が暖かくなる。
…心も落ち着く。
まるで、祐樹の言葉一つ一つに魔法がかかってるみたい…

あたしは祐樹を見上げた。
祐樹もあたしを見てる。

「…祐樹」
「ん?」

祐樹は優しい顔で返す

「んんっ!!何でもないっ!!」
祐樹は不思議そうな顔をして、あたしを見た

あたしは祐樹に強く抱きついて、祐樹の胸に顔を埋めた
「…どした?」
「……あたしの我儘」
あたしが言うと、祐樹は優しく抱きしめてくれた

「…ありがとね」
「ハハッ!早く寝ろ」

祐樹の体温が伝わってくる。
心まで祐樹の優しさで満たされる。

あたしはゆっくり眠りに落ちた。