みんなも悲しげな顔をする。
龍兄はみんなの以上に気づいたのか、真剣な顔をした。

先ほどの男もソファーに腰掛ける

「彩夏は……病気です」
龍兄は、目を見開いた
「病名は…不明です。ですから、治療法も分からない、深刻な状況です」
龍兄は俯いた
「…と言う事は、治せないのか?」
低く、掠れた声で聞いてくる龍兄。
「……はい」
涼が静かに答えた
「彩夏の頭の中に小さい穴があいてて、それが短期間で大きくなってました…」
祐樹達も悔しそうに唇を噛みしめた

「…お兄ちゃん」
龍兄は、目に涙を溜めながらあたしを見た
「…あたしの命ね、もう長く…無いんだ」

そう。
長くないの。

龍兄は、立ち上がってあたしの前にしゃがんだ。
「…後、どれくらい…なんだ?」

あたしの命の賞味期限は…
「……半年…長くて1年…」
あたしの言葉に、龍兄はあたしを強く抱きしめた
「…何……で、何で彩夏がっ……」
龍兄は涙を流した
「……神様があたしを選んでくれたんだ…」
みんなも涙を流してる

「…んなの……俺を選べよっ…」
龍兄は、悔しそうな顔をしてあたしを強く抱きしめた

みんなのこの温もりも、感じれるのは…。
みんなの声が聞けるのも。
みんなの顔が見れるのも。

後…少しなんだ。