龍兄はあたしから放れると、優しい顔で微笑んだ

「こんなに綺麗になって…」
「龍兄だって…無駄にカッコいいよ」
あたしが笑うと龍兄も笑った

「それで…祐樹と知り合いなのか?」
龍兄は祐樹を見た
「…祐樹はあたしの大切な人」
龍兄は驚いた顔をした
「祐樹と付き合ってんのか?!」
「…へ?違うよ?」
「…そうですよ。付き合ってません」

龍兄は優しい顔になってシスコン発言をした
「そうか~!!彩夏は誰にも渡したくないからな!!」
「…」
龍兄は極度のシスコンなのだ…。
「彩夏は今どこに住んでるんだ?」
「んーと、祐樹達の倉庫と同じ所」

龍兄は悲しそうな顔をした
「…また、あいつらか?」
「はは。…追い出されちゃった」
あたしが言うと、龍兄は怒りに満ちた顔をして、拳を強く握った

「まだ、やってくれてたんだ…」
あたしが龍兄の耳のピアスを触ると、龍兄は照れたように笑った
「…当たり前だ。
彩夏からのプレゼントだしな」

「あ~!!大事な女から貰ったからっ!ってそう言う事…」
龍兄がギロッと睨んだ瞬間、男は黙った
こ、怖…。
龍兄はニコッと笑って、「ウザいね。あいつ」と言った
よ、余計怖い…。

「…大切な話があります」
祐樹達がソファーに腰掛けた。
龍兄も「何だ?」と真剣な顔をして、例のイスに座った

あたしは祐樹の隣に座った
「今から聞く事は、彩夏を愛してる龍介さんにはとっても辛い事だと思いますが、受け止めてあげてください」
祐樹も切ない表情をした