「…着きました」
「降りるぞ」

みんなの表情が硬くなってる。
あたしは祐樹に抱えられたまま降りた。

降りた所は…。
怖い場所。

怖い場所…と言う意味が、ヤクザがいっぱいいそうな場所で、建物の前にイカツイおじさん達が立っている。

おじさん達は祐樹を見ると頭を下げた。
祐樹はそこに、普通に入って行く。
みんなも後に続いて中に入る。

入ってすぐに、大きいドアがあった。
その前にもイカツイおじさん達が立ってる。
祐樹を見ると頭を下げてドアを開けた。

ゆ、祐樹達…何者?!
ドアの中に入ると、色んな男達がいっぱいいた。
祐樹達を見ては、頭を下げる。
あたしを見て、驚いた表情をする。

その奥に、大きな扉があった

「雷龍です。失礼します」
祐樹はそう言って、中に入った。
中に入ると、大きな黒いソファーに男が腰かけてた。
「…おう。久しぶりだな。祐樹」
祐樹はあたしをゆっくり降ろした。

低くて甘い声。
顔がスラッとして美形。
そして…片耳のダイヤのピアス…。

男は驚いた顔をしてあたしを見てる。
あたしの目に涙があふれた。
男は立ち上がって、あたしに近づいてくる。
「さや…か…か?」
「龍…兄ぃ…」

龍兄は、あたしの腰と背中に腕を回して強く抱きしめた。
あたしも龍兄に抱きついた
「ずっと……会いたかった…」
「俺も…。ゴメンな?辛い思いさせただろう…」
「…会えただけで、嬉しいよ…」