――――ガチャ
みんなはあたしを見ると顔を赤くして、吃驚したような顔をして固まった
「彩夏…」
祐樹はあたしを見て、優しく微笑んで手を差し出した。
あたしはそれを受け取り、微笑んだ
みんなはあたし達に見惚れてた。
「じゃあ、本番行きましょうか!!!」
スタッフさんはあたし達を、かぼちゃの馬車に連れてきた
「では、彩夏様、あなたはこの上で歌を歌って下さい」
「…分かってたの?」
「もちろんです。今日は曲は流れません。すべてあなたの歌声で行きます」
スタッフはあたしにピンマイクを取り付ける。
「祐樹様は、バイオリンで曲を演奏してください」
祐樹にもピンマイクを取り付けた
「頑張ってくださいね」
スタッフはクスッと笑って、走って行った。
「祐樹、そう言えばみんなには?!」
「…ああ。ちゃんと話してある」
「良かった…」
「彩夏、体調は大丈夫か?」
「うん。まだ平気…」
祐樹は少し悲しそうな顔をして、あたしを優しく抱きよせた。
「…彩夏、無理すんなよ?俺らが絶対に守ってやるから。彩夏は俺達にいっぱい頼れ」
「……ありがとう」
『では皆さん、準備はいいですか?』
あたし達は、大きな馬車に乗りこんだ。
『行きましょう。夢の国へ』
あたしは静かに歌いだした。
祐樹はあたしを見て驚いてる。
みんなもあたしの歌声に聞き入ってる
祐樹もバイオリンを弾き始めた
綺麗な音色が響く

