祐樹は笑い終えて、あたしの手を優しく握る
祐樹の体温が伝わってくる。
その時、誰かに足を掴まれた
冷たくて、ヌルっとしてる手…。
「いやぁぁぁぁぁっ!!!」
あたしは思わず祐樹の腕に抱きついた
祐樹は「大丈夫」と言って、抱きしめてくれた
すぐに、手を放してくれた。
「ハァ…ハァ……吃驚…した…」
祐樹はクスッと笑って、大きな手をあたしの頭に乗せて撫でた
「ありがと」
祐樹はあたしの手を引いて歩きだした
あたしは祐樹にピッタリくっついて歩く
すると、後ろから誰かに肩を叩かれた
恐る恐る振り返ると、口が裂けてる女が笑った
「いやだぁぁぁぁぁっ!!!!」
あたしは祐樹に強く抱きついた
祐樹は平然としてる
次の角を曲がると首が無い人があたし達に向かって走ってきた
「ここここ、こないでぇ!!!」
あたしは祐樹の手を握りながらダッシュした
自分でも、考えられないスピード…。
走ってると、1つの大きなドアがあった
あたしはそこを思いっきり開けた
みんなが目を丸くしてあたし達を見てる
「さ、彩夏?」
祐樹も驚いてる…。
あたしも驚いた。
だって…
だって……。
何?!このステージっ!!!!
あたし達が今立ってる所は、大きなステージの上で…。
今、丁度パレードをやってる最中らしい

