100万粒の涙。⊹.*



「…大丈夫か?」
「…う、うん」

祐樹の顔が暗くて見えない。
目が慣れない…。

―――ギュ

祐樹があたしの手を握った
「…ありがと」
あたしは小さく吐いた

丁度、角を曲がった時

お墓があった。

―――ちょん…ちょん……

小さな足跡が聞こえる
き、気味悪い…。

女の人の笑い声などが聞こえる
な、何?

すると、奥からゆっくりゆっくり歩いてくる人

「…た…すけ…て…」
女の人だ…。
顔が髪に隠れて見えない。
服に赤い血がベットリついてる

あたしは女の人に駆け寄った
「どうしたんですか?」
女の人はあたしの肩を掴んで「た…すけて……」と言ってくる
「あたしに出来る事ですか?」
あたしが聞くと、女の人は黙った
祐樹がいきなり笑い始める
「あたしが助けますので、顔見せてください」
あたしが女の人の髪をかきあげると、なんと男だった…。
「お、男?!」
それも、イケメン。

祐樹は腹を抱えて笑ってる。
「これ、仕事なんだけどっ!!!」
男の人も腹を抱えて笑い始めた
「ほら、早く行って!!」
「そ、そっか!!!進みましょうね!
頑張ってくださいっ!!」

あたしはそれだけ言って、歩きだした。