「何で…何で彩夏がこんな目に合わないといけないんだよっ!!!」
祐樹はあたしを強く抱きしめて吐いた

あたし達はしばらく泣いた。

―――コンコン

「拓です。失礼します」

―――ガチャ

拓が入って来て、あたし達を見て悲しげな顔をした。

「みんなが、心配してます。どうかワケを話してくれないでしょうか?」
拓は祐樹にそう言った
祐樹はあたしを見てきた。
「…みんなに……伝えよう?」
あたしが言うと、祐樹は小さく頷いた

そして、あたしを降ろしてみんながいるリビングに、あたしの手を引っ張って連れて行った
みんなはあたし達を見て、悲しい顔をしてる

「…みんな、聞いてくれ」
みんなは祐樹の声に、耳を傾ける
「昨日、コンビニで彩夏が倒れた。そのまま救急車に乗せられて病院に向かった。彩夏の病名は分からないらしい。治療法もだ。今日の検査で分かった事が、彩夏の頭にあった小さな穴が大きくなってるらしい。それで、このままいけば…」

祐樹は、言葉をためらった。

「…あたしの命は、後半年。長くて1年だって…」
あたしが言うと、みんなは固まって目を見開いてる

あたしの目にまた涙があふれ出した
「ごめん…ね?余…計な心配……ばっかり…かけちゃって…」
みんなは黙ってる
「そん…なの嫌だよ……何で?何でさーちんなの?」
陸が涙を流して、祥のの服を掴んでる
「俺だって…意味分かんねぇよ…なんでや?」
祥も涙を流して頭を押さえてる
祐樹はあたしをそっと抱きしめて「みんな。彩夏を支えてくれるな?」と言った

みんなは涙を流しながら口々に「支えるっス!」「任せてくださいっ!!」と言ってくれた
あたしは祐樹の胸の中で泣いた・・・