――――ガラッ

「おや。目覚めましたか。
おはようございます。調子はどうですか?」
「大丈夫です…」
「そうですか、彩夏様が目覚めないうちに、色んな検査を行ってみました」
「はい」
「でも、結果は分からずじまいです…。
でも、1つ分かった事が…頭の穴が大きくなっています。このまま行くと、結果は最悪な方向に進むでしょう…」
医者は深刻そうな顔をした
「それは…治す方法はあるんですか?」
祐樹は真剣な顔をして聞く。
「今の所、ありません…」
医者は申し訳なさそうな顔をして言った。
「…後何年、生きられるんですか?」
「このまま進行すると・・・」

医者は顔をしかめた。

「…半年。長くても1年…」

半年・・・
長くても1年…。

祐樹もその言葉を聞いて、固まる。

あたしの頭の中で、医者の言葉が繰り返される。

「我々も、全力を尽くしています…。
ですが…彩夏様の病気は…初めて見たものですし…。進行が早いというのが…」
「……もういいです」
医者と祐樹はあたしの言葉に固まる

あたしは俯く。
そして涙を流す。

「…今日は、お家に返して下さい」
「……分かりました。お気を付けて」
あたしは立ち上がった。
祐樹があたしを支えてくれる。

そして、病室を出た。