「彩夏。早く起きろ」
大きなため息も聞える

「早く起きろ」
あたしは誰かに抱えられた
でも、この体温と匂い…知ってる…。

「…祐樹。おはよ」
「おはよ。じゃねーよ。
今日はピクニックしたいっつてたのは誰だよ」

「んぅ?…忘れてた」
あたしはトボケ笑いをしながら、祐樹の首に手を回す
「ったく、運んであげてるだけ感謝しろよ?」
祐樹は口角をあげた
「ん。ありがとっ!!」
あたしは笑って言った

―――パタン

祐樹はあたしを抱えたまま、車に乗り込んだ
「あっ!おはよ~」
「お寝坊さんだね」
「全く。早起きしろよ」

みんなは笑いながら口々に言う
あたしは祐樹から放れないで、そんままの状態。
…んなわけだから、あたしは祐樹の体温で、またの睡魔が襲ってくる。

あたしは祐樹の胸の中で
2度目の眠りに落ちた。

「…おい。馬鹿彩夏。起きろっ」
「・・・」
「おい」
「…今、馬鹿彩夏っていったでしょ?」
あたしは目を開けて言った
祐樹は笑って「言った」と言った

「酷っ!馬鹿祐樹っ!!」
あたしは祐樹から飛び降りて車から降りた