「行ってきまーす。」






「ミナミ、お弁当持った-!?」



家を出る寸前だと言うのに母は
私に問いかける。



「持ってるってッ!!!」




少し怒りながらドアを閉めたため
“バンッ”と大きな音が鳴った。




-はぁ、何なのあの母親。




16歳になったんだから、ちゃんと
遣ってるに決まってるじゃない!!




ドス、ドスと道を歩く。







「ミナミ!」




不機嫌だった私の顔が一気に明るく
いや“女の子”になったのが分かった。






「ヒカル!」




私は来た道を少し戻って、ヒカル
に抱きついた。