『違います!私は…』

 セナさんに反論しようと振り向いてセナさんを見るとセナさんが苦しそうな表情をしていた

 その姿を見て私はぎゅっと目を閉じた

 私は皆さんを信用していないんじゃない…
 私達の事で皆さんの邪魔をしたくないっ
 だけど…

 セナさんの表情が浮かび上がりネックレスを握る手に力を込めた

 「渚…『…5年前』

 私はクリュウさんの言葉を遮るように話し出した

 『5年前までこの島は緑が溢れどの場所にもきれいな水が流れる川がありとても豊かな島でした』

 『だけど…この島に一組の海賊が来ました。でもここは元々海賊の立ち寄る場所でもあり私達は気にも止めませんでした。それから1ヶ月が過ぎいつしかその海賊が居ることを当たり前の様に思っていました。』

 「…」
 
 クリュウさん達は真剣に私の話を聞いてくれた

 『だけど…そう思ったことが間違いだったんです。それから数日後…その時は突然やって来たんです。突然川の水がなくなったんです。私達は訳もわからず呆然と立ちすくむことしか出来ませんでした。そんな私達を嘲笑うかのようにあの海賊一味が多くの手下を従え私達の前に現れたのです。そして一番前にいた男が口を開いてこう言ったんです。俺の名は1000万の賞金首、残虐のドレイだ…と』
 
 「ドレイだと?」

 船長さんが口を開いた

 「確か5年前に突然消えた海賊の船長ですよね」

 「この島に隠れていたか…」

 『…そしてこの島は俺達の物だ。反発する奴は皆殺しだと言いました。でもその事に納得がいかない人達は当然反発しました…その人達は…』

 私は最後まで口にせず目を閉じました
 
 「…何て奴だ」

 クリュウさんが怒りの声をあげた

 『その中に私の両親もいました』

 「え…渚さんのご両親は…」