古の勇者の伝説とは魔王を柄杓、フライパン、エプロン、ワイシャツ、半ズボン、褌、目出し帽という装備で倒したというものだ。
村人達は誰も信じていなかったのだが、アマルが消火器とホットケーキでサラマンドラを退治したことから、アマルが勇者の血筋であると謳われるようになった。
アマル本人にとっては不名誉な伝説の後継者にされ、迷惑なことであったが、崇められるうちにだんだんどうでもよくなってきた。
それが色々な国の王様の耳に入り、アマルはアマルの意思とは関係なく旅立つことになってしまった。
王様達は一つの宝箱を指差し、口を揃える。
「その宝箱を開けるがよい。」
無意味にサラウンドしているのでアマルは耳を塞いだ。
アマルが宝箱を開けると中には、お玉と30円と小麦粉とライターが入っていた。
「人様の大切な息子に魔王を倒せと命じておいてこれで戦えと?」
アマルは怒りで震えだしている。
「予算はない!」
王様達はまたも無意味にサラウンドでアマルの主張を否定した。