告白[短編集]

しばらくすると、ドアが開き綾が出てきた。


「大丈夫か?」


俺はすぐに手を握る。


「望、父さんまだかかるから、先に帰っていてくれ。
迎えの車、駅のロータリーにいるはずだから、田代さんと一緒に。
田代さんには話してあるからうちに行ってくれ。」


なんでうち?


「母さんがお昼用意しとくって。」


父さんがクスクス笑う。


両家の食事会なのか?


俺達は、駅のロータリーまで歩いたが、迎えの車が見当たらない。


タクシーでも来るのかと見ていると、一台の大きな車が目の前にとまった。


それは、テレビなんかで見たことがある、リムジン。

なんだ?


助手席からよく知っている、男の人が降りてきた。


「お疲れ様でした。
立川法律事務所の根本と申します。
お迎えに上がりました。」


丁寧なお辞儀をして、綾の父親に名刺をわたす


綾の両親、そして綾もびっくりしている。


俺もびっくりだ。


「どうぞ。」


運転手がドアを開ける。


根本さんも一緒に乗り込み、綾の両親に飲み物を聞いている。