告白[短編集]

「すごいですね。
昨日の事も認めましたよ。警察官が言っても、認めてなかったようなのに。」


綾の父親が、父さんに興奮気味に話す。


「いえいえ、警察官は聞いたことを言っただけで、昨日もやったとかは言いませんし、私のやった事も、犯人の自白とは。」


「えっ、そんな。」


綾の母親のびっくりした顔。


「ただ、警察官の前で話した事で足掻くの諦めて、犯人が自白してくれるといいんですが。」


「大丈夫ですよ、あの様子では。」


OL風警察官が微笑む。


「そうですね。
では、綾さんが落ち着いたら始めますか?
望。」


父さんが俺の名を呼ぶ。


たぶん今から書類書いたり、何かやるんだろう。


俺に出で行けって事だ。


俺は、綾の手をそっと離す。


不安そうな綾。


「部屋の外にいるから。」


俺は部屋の外に出で、綾がいる部屋のドアを見つめる。


俺、役立たずだな。


綾、もう絶対こんな事起こらないようにするから。


守るから。


必ず、守るから。