告白[短編集]

私は昨日の事を思い出した。


いつの間にかうつぶせにされ、お尻にキス……。


「あるんだね。
顔が赤いよ。」


クスクス笑う。


本当にこの笑い方、親子そっくり。


「父さん、うるさい。
綾聞かなくていいから。」


手を引っ張られ、望の父親から少し離される。


駅の事務所の中の一室に痴漢が入ろうとした時、痴漢が騒ぎだした。


「えっ冤罪だ。
僕は違う。
あんたたち、間違えたんだ。」


騒ぐ痴漢に、警察官は落ち着いて答えた。


「私は彼女の前にいました。」


と、サラリーマン風。


「私はあなたの隣にいました。」


と、OL風。


「私は彼女の隣にいました。」


と、一緒に乗った女性警察官。


痴漢は黙ったが、部屋には入ろうとしなかった。