告白[短編集]

綾が泣きながら痴漢にあった事を話してくれた。


何やってんだ俺。


綾一人で電車に乗せて。


こんなに魅力的な子、なに一人で満員電車乗せてんだよ、俺。


それに、話しかけられた内容考えれば、前から綾の事狙ってたんだ。


同じ車両に、今までいたんだ。


なんで気づかないんだ。


俺の腕の中で、震えて泣きつづける綾。


ごめん。


ごめん綾。


俺のせいだ。


俺がバカなせいだ。


チクショウ。


俺、なにやってんだよ。


「綾、ごめん。
ごめんな綾。
ごめん、助けられなくてごめん。
くっ、ふ、俺の名前、心の中でよっ呼んでくれたのにお…お、れ……。」


泣くな、止まれ。


辛いのは綾なのに、泣くな。


なんで涙がでてくんだよ。

止まれよ。