告白[短編集]

宿泊先に向かうバスが、ちょうどサービスエリアでトイレ休憩の時に、俺の携帯が鳴った。


見れば、綾の家の表示。


なんだ?


「もしもし」


「立川くん、綾が、綾が。
泣いて帰ってきて。
何か知らない。」


綾の母親の慌てた声。


「綾、どうしたんですか?」


「わからないの。
泣いて帰ってきて、突然倒れて。
熱もないし、病気と言うより何かあったみたいな。」


「俺、今日、宿泊学習で、すいません何もわかりません。
俺すぐ行きます。」


「えっだって宿泊学習な」


俺は綾の母親の電話を途中できり、母親に電話する。

俺の母親は結構豪快な母親で、

『男なら彼女大切にしな』

と綾と付き合う事を知らせた時に言われた。


だから、きっと大丈夫なはず。


「望?
あんた宿泊学習で「母さん、綾になんかあったみたいなんだ。
すぐに綾の家行きたいんだ。」


母さんの言葉をさえぎり、一気に話す。


「わかった。
この携帯、先生にわたしな。
茨城のおばあちゃん危篤にするよ。
話合わせな。
それで、タクシー呼びな。タクシー代用意して綾ちゃんちでまってるから。
すぐ帰ってきな。」