告白[短編集]

家に着くと、庭で洗濯物を干していた母が、気がついて慌てて出て来た。


「どうしたの?
具合でも悪いの。」


声をかけてくれる母に、なんて言えばいいかわからない。


「おっお母さん、おか、お母さーん、ああぁーー。」


私は玄関で泣きくずれた。

「どうしたの?
綾、綾………………。」


母の声が遠くに聞こえていき、私は意識を失った。







目が覚めると、自分の部屋の天上と心配そうな望。


望?


「なんで?
宿泊学習は?」


「綾のお母さんから携帯に連絡あって、帰ってきた。」


「帰ってきたって。」


だって、勝手に帰れないでしょう。


「母親に協力してもらって、ばーちゃん危篤にして宿泊学習から帰ってきた。」


「なんで?」


「なんでって、帰って来るよ。
綾のお母さんから、綾泣いてるって聞いて、宿泊学習してる場合じゃないだろ。好きな女が泣いてるんだ、どこにいたって帰るよ。」


望。


望。


望。


涙があふれる。