告白[短編集]

軽く背中に手をあてられ、抱きしめられる。


違う、もっとギュッとしてほしいの。


「隆、ギュッして?」


隆の胸に小さくつぶやくと、さっきよりは力を入れて抱きしめてくれる。


全然たりない、優しい手。


きっと力を込められないんだな。


言葉と態度は荒いけど、本当は優しい隆。


私の事壊しそうだとか、そんな事考えてるんだろうな。


隆なら、壊れてもいいのに。


「隆、もっとギュッして。
壊れるぐらいギュッして。」


上を向いて、隆の顔を見る。


顔を歪ませる隆。


嫌がってる?


なんで?


私達、恋人なんでしょう?


「お前は…、なんて事言うんだよ。
今話聞いてただろ。」


苦しそうな声。


どうして?


「聞いてたよ。」


だって、目の前で話してたじゃない。


「だったら、なんでそんな事言うんだよ。
気持ちもうわかってるだろ。
俺、期待しちまう。」


うん?


気持ちはわかったよ。


隆が私を好きって。


夢みたい。


本当にうれしい。


でも、期待って何?


隆は何かしたいの?