告白[短編集]

違うなんて言えないよ。


好きな人は隆。


阿久津くんの言う通り。


でも、違うって言わないと隆の事が好きって、隆にわかっちゃう。


どうしよう、私、言いたくない。


隆の事好きじゃないなんて。


違うなんて言いたくない。

二人が言うように、好きって言えばいいの?


好きって言っても、まだ手をつないでくれる?


好きって言っても、一緒に居てくれる?


幼なじみに戻れる?


ううん、違う。


もう幼なじみなんていや。

ただの幼なじみはもういや。


でも、幼なじみでなくなった私は何?


他人?


知り合い?


隆の近くにはいられなくなるの?


私、どうすればいいの。


「舞。」


隆が、私の下唇を指で優しくなぞる。


「バカか。
そんなに強く噛んだら血でんぞ。」


いつの間にか、癖で下唇を噛んでたようだ。


唇に、隆の指の感触が残る。


荒い言葉とは違う、甘い指。


胸の奥がジーンとしびれるみたい。


残った感触を確かめるように、舌で下唇をなぞる。