流人と入れ代わる様に、一人の少年が歩み寄る。



「よ、チキン」

「…鳥羽だ」

「そういう名前だったんだ。部の奴らがチキンとしか呼ばないから、名前が判らなくてね」

「何か用か?」



少年は自身を指した。



「同じ一年で、100m走仲間の馬場俊樹。よろしく」

「鳥羽駆。…よろしく」

「警戒しなくていいよ。僕は鳥羽君が飛べなくても、気にしないから」

「そうかよ」



俊樹は溜息をついた。



「つれないなぁ。竜宮さんにも、そんななワケ?」