次の競技は、100m走だった。



「さあ、これで最後だ」

「ウィー…」

「疲れていると思うが、頑張れ」



応えず、構える。



「…よし…。スタート!」



号令とともに疾走。





前方に、流人の影がちらついた気がした。





…冗談じゃねぇ…。





加速。





影がちらつく。





…冗談じゃねぇ。





さらに、加速。





影は消えない。





冗っ談じゃあねぇ!





さらに、加速した。