何十回目かで、グラウンドにへたりこむ。



「まだ、やるかい?」



流人は軽く汗ばんでいるだけだった。





「…クソッ!」

「勝者の僕は、敗者の君に要求しよう。陸上部に来い。そして、走れ」

「…俺は、とろい」

「素質は有る」



…ふざけんな。



「君は飛べない」



…クソッ…。





「飛べなくてもいい。君は駝鳥になれ。もっと速くなれ」





舌打ち。





「…今度は、アンタをへたりこませてやる」





流人はニヤリと笑った。



「楽しみにしているよ」



そう言って、流人は去って行った。





直江流人…。





翔子…。

俺は…。





一人残されたグラウンド。





地面を踏み締め、立ち上がった。