夜の帳を風切るように走り抜ける。 パタパタと絶えず足音が聞こえるけれど、ちらりちらり、と後ろを振り向くことをやめられない。 あと少し、あと少し―。 そうやって自分を励ますように、祈る。 だけど、どこまで逃げればいい? どこまで逃げれば、この運命から抜け出せる? わからない。 答えは永遠にないのかもしれない。 それでも。