「ごめんな?」


いきなりすぎる彼の言葉に私は少し顔を上げた
そこには切なく微笑む彼の顔
そんな笑顔すら愛しいと感じるのに
私はどうすればいいのかわからなくて
きっと、目泳いでるよね


「お前が……好……き、かも…」


私と同じぐらい不器用で恥ずかしがり屋な彼の言った言葉は、
途切れながらも私の耳にきちんと入ってきた
だけど理解ができた訳じゃない
ただ、1番欲しかった言葉だというのはなんとなくだけどわかる


懐かしい大好きな匂いがふわっと私を包んだ
色素の薄い茶色い髪が目の端に映る

あれ?これって……

びっくりしすぎてあわてていると、回された腕の力が強まった


「俺、傷付けた。ごめんね、好……き。だから、やっぱり………付き合って?」


恥ずかしがり屋の彼がたくさん言葉を発した
だけどやっぱり恥ずかしいのか腕の力がますます強まっていく


夢じゃないんだ

そう思うと自然と涙が溢れてきた


「私は、ずっと好きだったよ。…またよろしくね……」


私は涙に気付かれないように彼の背中をぎゅーってしかえした


もうずっと離さないでね?






不器用両想い