人にいうと
笑われるかもしれないけどね。



もっとも
べつに隠すことじゃないけど、

まだ
だれにもいったことはない。



この部屋に住めたように、その願いもかなう。



ひそかに
そう信じてる。



「いつか、特別な人とですか……なんかいいですね、それって……」



「だろ?」



「はい。じつは、あたしも行くにはいったんですけど、まだ一回だけなんです」



「へ~、いかにも何回もいってそうなイメージなんだけどね」



「どんなイメージなんですか、も~」



ひかりが
拗ねたように唇を尖らす。



そんなところが
まだまだ子供っぽくてかわいい。



「わりぃわりぃ」



「じゃあ、わたしも二回目行くときは、特別な人といこうかなぁ~」



「お~いったなぁ。ようし、じゃあ、どっちが早くいけるか競争だ」



「はい。競争しましょう」



まったく
お気楽なお嬢さまってかんじ…