インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

ひかりに
挨拶くらいしてこう。



そう思ってたけど
や~めた。



まだ昼過ぎ。



せっかくだから
気晴らしに、渋谷でもぶらぶらして帰ろう。



スタジアムから出て
人気のない広場を歩きだした。



そのときだった。



ピロリロリロリン、ピロリロリロリン――。



電話の着信音。



ひかりからだ……。



「いまどこですか?」



「いま、外でたとこ」



「ちょっと待っててください。すぐそっちに向かいますんで」



そういうと
ひかりは電話を切った。



それから3分後、
ひかりは息を切らせて走ってきた。



「すみません。お待たせしました」



「なんかやたら苦しそうだけど大丈夫?」



「はい、大丈夫ですよ。それより、どうでした、チア?」



「あ~、はじめてナマで見たけどマジすごかったよ~。ちょっと感動した」



「ありがとうございます。そうってもらえてうれしいです」