インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

制服のボタン。



上まで
きちっと留めてる。



肩の下まである髪は
後ろでひとつに結んでる。



立ち方にしても
背筋を伸ばして
しゃんとしてる。



ソックス、
靴下、
スカートのひざ丈………。



どれひとつとっても
まったく隙がない。



いかにも真面目、
清純、

お嬢様の象徴ってかんじ。



ただ
ちょっとおっとしている、

っていうか天然だし
声優でもなったほうが、
って声してる。



「そういえば、こないだ手帳になにか書いてましたよね?」



「え?ああ…」



「なに書いてたんですか?」



「なにって、ただの落書きだよ」



「詩とかじゃないですか」



「え?見たの?盗み見?」



「ちらっと見えたものですから…」



「ふ~ん、見えたんだ~」



カマをかけた。



あれは
どうも見てたっぽい。



「ほんとはちょっと覗いちゃいました。すみません」