「レイちゃんに聞いてほしいことがあります…」



あたしをじっと見つめると、ひかりは絞り出すようにいった。



「なに?」



「じつはね、あの日、バス停で話しかけたとき、あれがレイちゃんを見た最初じゃないんです…」



こんなときになにをいいだすのかと思ったら、あたしと出会ったときのことを話しはじめるひかり。



いまは
じっとしてたほうがいい。



体力を使うから
やめたほうがいい。



そう思ったけど、
止めたって無理なのは
わかってたから
止めなかった。



「え?どういうこと?」



「ずっと前からレイちゃんのこと知ってたんです…」



「え?でもさぁ、それまでおなじバスに乗ったことは一度もなかったよね?」



「うん。一度もないです…」



「じゃあ、どこで、どこであたしをはじめて見たの?」



「病院の窓…」



「病院?」