「でも、まだ大丈夫だろ」



「そういってると降ってくるんですよ」



「そんな急に……」



あれ!?



ひかりのいうとおり。



そういってる先から、
小さい雨粒が
空から落ちてきた。



「レイちゃん、早く~」



「はいはい」



ひかりに
急かされるままに、

もっと味わって食べたい
アイスを大口に頬張ると
家路を急ぐ。



でも、
すぐに
そのペースが落ちる。



スイカ。



できるだけ
小振りのものを選んだけど、
それでも
その重みが

ずっしりと
指に、
腕に、
肩に来る。





ドーン。



遠くで
雷鳴が轟いた。



雨。



小降り。



まだ
地面を濡らすほど
強くはない。



服に落ちてきても
まだすぐ
乾いてしまう程度。



けど、
激しい降りを
予兆させるように、
だんだんあたりが
暗くなってく。