「とにかくだ、離れろよ、これじゃあ暑くってかなわないって」



「嫌だ。離れませんよ」



「マジ暑いって。汗かいちゃうだろ」



「なら、またお風呂入りましょう」



「やだよ~、めんどくせ~」



逃げようとすればするほど
しっかり絡みついてきやがる。



「くそっ。放せ!」



「離れないですよ~だ」



必死にもがく。



けど、
どうやっても
ダメ。



げっげっ、
マジで逃げらんない!



脱出不可能!?



いったい、
こいつのどこに
こんな力が……



「わかった。わかったから。ちょっと苦しいんだけど」



「あっ、ごめんなさい。大丈夫ですか?」



ゴホッ、ゴホッ。



大袈裟に咳き込んだ。



そこに隙が生まれた。



絡みついてた
手足が解かれ、
これでやっと
自由の身に……。