インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

「はいはい……でもまぁ、よく寝なきゃな。汽車の旅ってのもけっこう疲れるからなぁ」



「そうですよ。睡眠は大事です。しっかり疲れを取りましょうね」



「しっかし、またおなじ時間かけて戻ると考えると気が滅入るよなぁ」



「え?もう帰るんですか?」



「まぁ、どっか行きたいところがあれば旅してもいいけど、とりあえずここにずっといてもしかたないっしょ」



「え~、まだ帰りたくないですよ~」



「なに子供みたいなこといってんだよ」



「ダメですか?」



「ダメじゃないけど、このままここに世話になるわけにもいかないじゃん」



「だったら、ほんとにここの子供になっちゃいますか?」



年代物の扇風機を回し、
あたしにとっては懐かしい
蚊取り線香に火をつけると、

とりあえず
電気を消して、
布団に横になった。



そのせいで、
よくその表情はわからない。



でも声の調子から
その言葉はあながち
冗談めかしていったものではないと思った。