きっと
酔ってるんだ。



だけど、
たしかに
そういった。



「あはは~、酔ってんの。冗談。ひさしぶりに若い人としゃべって、うれしくなったもんだから、つい……」



そういって
笑い飛ばしたけど、
冗談にしては
妙にリアルな気がした。



そしていきなり
演歌なんか歌いはじめると、
ふらふらしながら立ち上がった。



「お風呂沸いてるから勝手に入りな。それと隣の部屋に布団敷いてあるからさ」



そういうと「あたしは先に寝るから」と、襖一枚に仕切られた向こうに消えていった。