インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

「いや、もういいよ」



もう十分。



これだけやれば満足。



ただ
そこに特別な感情はない。



晴れ晴れとした気持ち。


付きものが落ちた。


そんな気分とは
ほど遠い。



でもまぁ、
ひとつの区切りができたかも……。



「ところで、今夜泊まるとこあんのかい?」



おばちゃんが
ルームミラーに映った
あたしたちを見る。



あたしが首を振ると、
おばちゃんは「そうかい」とだけいって、

さらにスピードを増して
山道を降りていった。








「さあ、ここだよ。降りな」



目的地を指定したわけでもないのに、

おばちゃんはそういうと
一軒の民家の前に
タクシーを止めた。