インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

「そんな若くないと思うよ。いまのわたしくらいじゃないかな。そう記憶してるけど……」



時期といい、
車の種類をいい、
夫婦の年齢層といい、
それとほぼ符合する。



「ちなみに、ここに住んでた人たちですか?」



「さあ、そこまでは覚えてないね」



「ずいぶん詳しくきくねえ。ここにいた人たちになにか用事でもあったの?」



「いえ、ただ懐かしくなって、それでなんとなく、ちょっと足を延ばしただけですから…」



あながち
嘘とはいいきれないが、
ひかりにしては
妙に歯切れの悪い返答。



だけど、
あたしの口からでは
聞きにくいことを
進んでいろいろ訊いてくれた。



うれしいやら
ありがたいやら……



とりあえず、
ぎゅっと手を握って、

感謝!!



「どうしますか?もっと調べますか?」



それでもまだ
あたしが満足してないと思ってか、

駅の戻るタクシーのなかで、ひかりが耳打ちした。