インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

「壊れた車からだいぶ離れたところで、カッと目を見開いた、ものすごい形相で死んでたっていうからね」



そういって
深いため息をつくと、

あ~
恐ろしや~
恐ろしや~、

と念仏でも唱えるように
繰り返した。



「それいつ頃の話ですか?」



ひかりが
あたしたちの意見を代表する形できく。



怖いのか、
それともあたしの気持ちを少しでも理解しようとしてくれてか



ひかりは
横に立ったときから、
ずっと
あたしの手を握ってた。



「あれはたしか、3、4年前の夏だったよ」



「崖に落ちたのは、どんな車に乗ってたんですか?」



「えっと、あれは、そう、軽自動車だったかねぇ」



「何色ですか?」



「黄色。あたしのご近所さんと同じ車だったんさ。ご飯食べながらテレビ見てから、それで噎せたのをいまでもおぼえてるよ」



「何歳くらいのご夫婦だったんですか?」