忘れもしない四年前、
死に物狂いで逃げ伸びて、

始発電車に飛び乗った駅。



あの頃と、
ほとんどなにも変わってなかった。



思い出の場所のひとつ
といえば響きはいいけど、
その場所をふたたび訪れるなんて思いもしなかった。



それも
ふたりで来るなんて……



「あぁ~、座りすぎてケツ痛いんでだけど、ひかりは大丈夫?」



「わたしは平気ですよ。学校では授業中座ってますからね。慣れてます」



「か~、なんか嫌味っぽ~」



「そんなつもりでいったんじゃありませんよ。それより、ここがレイちゃんの地元なんですね」



「はぁ?やだやだ。こんなところが地元なもんか。てか、田舎だと思ってバカにしてね?」



「また~被害妄想~」



ひかりが
新幹線車内で
出会った男の子よろしく、
アッカンべーをした。



ますます
最初の頃の
ひかりのイメージが
崩れていくよ~