インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

「レイちゃんなら、きっとできるよ。大丈夫だよ」



苦しみを、
憤りを、
屈辱を、
死ぬそのときまで、

ずっと抱えて生きていかなきゃならないと。



「レイちゃんなら、きっと……」



でも、
よかった、
ひかりで……



「あたしの……」



ひかりに
話せてよかったよ……



「レイちゃんだから……」



それにしてもだ。



泣かない。



わたしも
もう泣かない。



どんなことがあっても
けっして。



そう決めてたのに。



心に誓ったのに。



泣いてた。



渋谷で
はじめて男に買われた夜。



そして、
ひとり迎えた朝。



訳もなくあふれ出した



涙。



あのとき
枯れ果てたはずなのに



一粒だって
出やしないのに



なぜか
涙があふれてきた。