インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

「あたしのほうこそ、いろいろ嫌な思いさせてすみませんでした。これからまた仲良くしましょうね」



そういうと、
ひかりは笑って許してくれた。



こんなんでも
人の器の大きさってやつを
うかがい知ることができると思う。



あたしが
茶碗くらいなら、

きっとひかりは
浴槽くらいある。



自分のことより、
まっさきに
あたしのことを考えてくれるんだから……。



「それより風邪ひきますよ」



気づば、
けっこう濡れてた。



服も髪も
びしょ濡れ。



ひかりは
バッグからハンカチを取り出すと、

あたしの顔を
丹念にそれで拭ってくれた。



それで
いくらかさっぱり。



もっとも、
透けたブラと、
濡れたパンツまでは
どうしようもないけどね……



それはそうと、
ここに隠れるのに打ってつけ。



ここにいれば
見つかる心配もないだろうし、

いざとなれば
フロントにでも助けを求めればいい。