インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

「茹でたパスタにエクストラ・バージンオイルとグラナパダーノチーズのすり下ろし、それに胡椒をかけたシンプルなやつです」



「お~、なんか、それもうまそ~じゃん」



「今度作ってあげますね」



「よろしく~」



受け答えしながらも、
箸を休めない




ズルズルズルズルズル~――



ムシャムシャムシャムシャ――



ズルズル、ムシャムシャ――



こんな品性の欠片もない
あたしの豪快な食べっぷりに、

ひかりは嫌そうな顔をしてるか?


と思えば、そうでもない



隣で
にこにこ笑って見てた。



「あ~、ごちそうさま~、食った食った~」



行儀が悪いと思いながらも、

あたしは
両手を合わせると
後ろに倒れて仰向けになった。



あ~、
なんか幸せだ~



ひさしぶりに
満たされた気分。



大満足ってかんじ~



ところが、
そんな気分もそこまで。



ひかりの
何気ないひと言。