「なに書いてるんですか?」



「………」



これには
まじであきれた。


まいったよ。



「すみません、いきなり。なにを書いてるんだろうって、ちょっと気になって」



そういいながらも
ちっとも悪びれた様子はないってどういうこと…。



「………」



この
すみません女には
なにをやってもムダみたい……。



いくら無視しても
怒っても
ぜんぜん
効いてませんよ~って
不感症か、こいつは!?



そこへ
ようやくバスがやってきた。



立ちあがり
扉が開くと
同時に
さっと乗り込む。



ひどく遅れた割には
ガラガラだった。



一番後ろの席に陣取る。



まさかと思ったが
さすがにそこまではしつこくなかった。



すみません女。



あいつは
一番前の先に座った。



一度
ちらっとこっちを見て
笑顔で会釈したが、
知らんぷりしてやった。