インスタントラブ~甘くて切ない一目惚れの恋~

しかし、
彼女が愚痴りたいなんて、

それはよっぽどのことなんだろう。



「うん。なんでも聞いてやるよ」



「それが……どうも最近、クラスのみんなから無視されてるみたいで……」



無視。



もしほんとなら、
それはれっきとした

イジメ。



ひかりが
苛められてる……



カッとなった。



けれど、
それを顔に出したりはしない。



それでは
ひかりを不安にさせるだけ。



「もし無視されてるとして、そうされる心当たりは?」



「わたしもそれを考えてみたんですけど、ぜんぜん……」



「じゃあさぁ、たとえば成績とか、ひかりはいいほう?」



「そうですねぇ、真ん中よりちょっと上ってとこです」



「なるほど……だとしたら、う~ん、あらためて聞くのもなんだけど、ひかりの家って金持ち?」



「それが……父が会社を解雇されてから、わたしの授業料払えないかもしれないっていわれました」