――バタンッ




「ふう…危なかったね。」



「どした、いきなり。」




屋上には誰もいなかった。



フェンスに二人して寄りかかると、疲れたように座り込んだ。




いきなり逃げた理由が分からない。



叶夏にとってあいつらは友達なのに。




だからそう訪ねたのに、叶夏は空を見上げてこう言った。





――「だって、海星といたじゃん。」




太陽に叶夏の顔が反射して、きらきらと光る。それがすごく、眩しかった。




…胸が高鳴った。





「もー、叶夏のバカ。」




でも、叶夏のおかげで今がチャンスだと思った。