だから、今度は俺から言わないとプライドが許せない。 「八巻は俺のこと嫌い?」 こんな質問卑怯だけど、恋愛初心者な俺にとってこれしか言えなかった。 「私ね。」 「うん。」 「嫌いな人はいないよ。でも、」 なんか温かいなと感じれば、俺の手が八巻の手に包まれていた。 それだけで熱い。体温が。気持ちが。 「葉山くんは好き。」 これは言わせてるようなものなのに。 どうでもよくなっちゃうのはなんでだろうな。