中庭に行けば、ベンチに座って本を読んでいた。


ペラペラと紙を捲る音が妙に大きく聴こえる。




まだこっちには気づいてないみたいだ。



10mしか距離はないけど、俺と八巻の距離はどうなんだろう。


このしんみりした感情は今しか味わえない。





「なんか、俺、いつもと違う!!」




いつもはこんなんじゃないのに!恋するとこんなもんなのか!?





「…あ、葉山くん。」



気づいちゃったし。もうちょっと考えたかった。


とりあえず小さく返事をして隣に腰掛けた。







「……」



「……」