――ドカッ
その笑顔に惚れ込んでいると、八巻はもういなくて。かわりに背中を蹴られた。
「誰だよっ」
「俺だよ。お前、八巻見すぎ!うざい!黙れ!」
「ま、雅樹…」
後ろを振り向けば怖い怖い雅樹様が仁王立ちで立っていた。
(さっきまで寝てたのに…)
まぁ、どうせ、俺が睡眠の邪魔をするようなことしたんだろ?
親友ならお見通しなんだからな!
「しょうがないじゃんかー!あれは誰でもあーなるんだから!」
初めて恋して。そんな子に頑張って話しかけて。
それで優しさがプラスされたらもう死んでもいいって思うんだぞ?

